【atacac】オーバーサイズドレープT【パターンマジック】
ダボっとしたTシャツ着てる人、見かけるじゃないですか。
あんな感じの半袖プルオーバーが欲しいなと思ったので試作してみました。
カットソーではなく布帛で。
適度にダボついてた方がガリガリ貧弱ボディが強調されないから助かります。
レーヨンの半袖開襟シャツなんかも良いんですけど
あれは新品より古着屋でちょいダサのを買って着る方が粋な気がする。
タイトルの【atacac】というのはスウェーデンのファッションブランドだそうなんですが
なんと公式サイトで自社製品のパターンの一部がダウンロード可能なのです。
ブランドの説明文を元にざっくり紹介すると
第一に動きやすさ、かつスタイルを犠牲にすることなくウェアラビリティ
(文脈的に耐久性というより快適性や着易さ的な意味?)も重視してるよ、という感じ。それに加え
「私たちのジェンダーレスな衣服は、全ての個人の流動性(多様性?)に対する認識の高まりを反映している。
衣服を取り巻く社会的規範を取り除くことで、自分自身になるための自由を得られる」
多少意訳しましたが、デザインに関するコンセプトはこんな感じ。
あとは雇用や環境などの生産背景も大事にしてるよーなんて事も書かれています。
個人的にこれらのコンセプトには強く共感できますね。割とどストライク。
いくらブランドコンセプトが良くても、製品がカッコ悪かったらどうしようもないと
思っているんですが、これがまた良い感じ。
何よりパターンが面白い形状のモノばかりで。
まぁせいぜい10日くらい前に知ったばかりなんですけどね、このブランド。
長くなりましたが、そんなatacacの『Boxy T-Shirt』のパターンを
畏れ多くも叩き台に使わせて頂きました<(_ _)>スミマセンアリガトウゴザイマス
パタパタモード君に落とし込んだパターン。
オリジナルの状態を作って着てみましたが、元にしたパターンがユニセックスかつ
ジャージ素材の使用を前提としてるのもあってか、いかり肩の自分には肩傾斜が合いませんでした。
↑ いかり肩の人が撫で肩っぽい服を着るとこんな感じの問題が起きます。
念の為申しておきますが、ユニセックスTシャツのパターンを伸縮性のない布帛で作り
挙句いかり肩の男が着たので、恐らく合わなくて当然です。俺と吉川が悪い。
動き易さを第一に考えているというatacacのコンセプトには偽りなく
袖は良い感じに前振りだし、腋点の高い箇所にマチ分が設定されているので
腕がとても上げやすかった。
伸縮性が無くてもTシャツとして成立しそうなくらいです。
原型に合わせて衿ぐりから袖口に向かって切り開き、肩傾斜を確保。
袖丈と着丈も延長して、半纏っぽい丈感に。
【パターンマジック】というのは、東レのアパレルCADではなく
面白いデザインのパターン操作を解説してる有名な本です。
Vol.1と2は使えそうなのが多いけど、3はあんまりな印象(レディースほとんど作らないマンの感想)
専門学校の恩師も「あの本が出て以来、発表会やコンテストでも似たようなのをよく見かけるようになった」
と若干辟易した様子で話していました。
実際、「あの本見て作ったのかなあ?」と思しき製品をたまーに見かけます。
中でも割とよく見る『ひねるドレープ』をアクセントとして背面に加えました。
Aの位置にA´を持ってきて縫う。裏面が表に来るので使える生地を選ぶ。
ひねるドレープは布の分量結構使うし、一回目はイメージ通りに行かないと思ったので
今回は1/2レディーストルソーちゃんに着せました。
1/2ボディは大まかなバランス感を確認したい時に役に立ちます。
しかし布の分量が少なく重力の影響を受けにくい為か、原寸大より布の落ち感や
皺の入り方など結構違ってくるので、「1/2では良い感じなのに1/1にすると微妙」
という事がままあります。
1/2なので布が垂れず、胸の形状に沿って生地が前に押し出されています。
原寸大ならここまで極端にはならないだろうけど...
ひねるドレープ。本に載ってた数値より開き分を3cm減らしたので
適度にシャープさもある。気がする。
なるべく薄くて伸縮性・ドレープ性のある生地だと良い感じになりますね。
適当な生地で試したけど、やっぱ1/2だと良い感じに見えちゃうんだよな。
これが落とし穴だったりする。
腋マチ。見るからに動きやすそうでしょ。atacacやりおる。
後ろ脇のあたりに生地がモッタリ溜まってる感じ
リラックス感あるというか、なんとも女性的で好きなんですよね。
こういう雰囲気をメンズに持ってきたいというのが今回の一番の目標かもしれない。
衿ぐりが広いと女性的な印象になり過ぎるので狭くしたい、となると開きを設けなきゃ着れない。
前はスッキリさせたいから後ろ開きに、となるとむしろ女性的な服になりそう。
やはり叩き台のパターンもアレンジに使った本も一級品だと
三流四流が作っても良い物が出来ますね。atacac様様です。
インスタでフォローしてる人達がやたらと黒い画像ばかり載せるので
何事かと思ったんですが、あれは『Black Lives Matter』という抗議運動なんですね。
少し前にブラック・クランズマンという映画を観たんですが
映画の世界よりも現実の方がよっぽど恐ろしいですね...
ヴァージル・アブローの人種差別抗議運動に関するコメントが炎上、SNSで謝罪
https://www.fashionsnap.com/article/2020-06-02/virgil-abloh-blm/
「自分の地元をめちゃくちゃにしないで」死亡した黒人男性の弟
https://www.bbc.com/japanese/video-52888734
私自身の場合は何か声を上げるよりも、まず知識をつけることの方が先なんだろうなと
思っています(それほどに無知なので)
色々と思うところはありますが...文章がまとまりません。
(7月3日追記)
あれから何作か人種差別関連の映画を観ました。
スパイク・リー監督の『ドゥ・ザ・ライト・シング』に『マルコムX』
あとは『デトロイト』と『ドリーム(Hidden Figures』。
マルコムXとドリームは映画として文句なく面白く、
ドゥ・ザ・ライト・シングとデトロイトはより世相に近い感じで、ズシリと来ました。
「ズシリと来た」とは言っても、一ヶ月も経つとすぐに忘れてしまうものです。
「差別についてもっと知りたい、知らねば」と殊勝な事を思っても
所詮は一過性のブームみたいなもので、また次の『問題』に興味が移ってしまう。
その都度、高尚な「お気持ち表明」をしてる人を冷ややかに見つつ、自分もそんな一人でしかない。
何事も熱量を維持するのは難しいです。(追記ここまで)
とりあえず何が言いたいかというと
マリーンズの和田康士郎選手、支配下登録おめでとう。
無事に開幕できるのだろうか...